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評価:
立花 隆
中央公論社
¥ 620
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昆虫学の北野日出男先生おすすめの一冊。
エコロジーとは生態学のこと。
人間が自然界の中での一生物にしか過ぎないことが
よく分かる。
普段、私たちは人間は特別だ!と思っている。
しかし、サルと同じ、なわばり意識にこだわる動物なのだ。
環境破壊、環境破壊と騒いでいる。
しかし、人間が愚行を続けて人間を含む哺乳生物が滅びれば、
人間とは別の進化の道筋の頂点に立っている昆虫類が地上の支配権を握るようになるだけなのだ。
など、人間だけを中心に見ない壮大な話になってくる。
自然のシステムの不思議さ、人工では真似できない精巧さ。
そしてそこに組み込まれている人間。
そのおもしろさが分かる。
前半は理系的な話で難しいところもあるので、
目次を見て気になるところだけ読んでもおもしろいと思う。
私は後半がよかった。
40年弱前、著者が30歳のときの処女作。
内容はちっとも古びていない。
そのときにこれだけ幅広い内容を網羅したことが書けるのはすごい!と思う。